DIORE CLINIC
4.8(400+)
こんにちは、江南駅ディオレ医院の代表院長です。
📅 最終更新: 2026年3月
💡 ひと目でわかるポイント
· リトオはコラーゲンだけを補う施術ではなく、人の真皮の構造物(ECM)そのものを粒子化して入れるスキンブースターです。
· コラーゲン生成を刺激したり、コラーゲン1種類だけを補う従来の方法とは異なり、エラスチン・GAGまで含む組織構造全体を移植して、内側の細胞がその中で新しいコラーゲンを作るよう助ける原理です。
従来のスキンブースターは大きく二つの方向に分かれていました。コラーゲン生成を促すリジュラン(PN)、ジュベルック(PDLLA)、スカルプトラ(PLLA)と、コラーゲンを直接入れるコラーゲン注射系です。
どちらの方法もコラーゲン生成を「促進」したり、コラーゲンそのものを「補充」する原理ですが、効果の発現時期や程度が不明瞭だという指摘がありました。
ここで一つ疑問が残ります。コラーゲンだけ入れれば皮膚構造は完全に回復するのでしょうか?
真皮はコラーゲンだけでできているわけではありません。エラスチン、グリコサミノグリカン(GAG)、そしてそれらが織り込まれた3次元構造まで含めてECM(細胞外基質)と呼びます。
加齢とともに崩れるのはコラーゲン1種類ではなく、この構造物全体です。コラーゲンだけを補うのは、レンガだけを戻して骨組みはそのままにしているような状態に近いです。
リトオ(エラビエ Re2O)はこの点から出発した製品です。
人体組織再生医療企業エルエヌシーバイオが開発したhADM(無細胞同種真皮)ベースの製品です。
| 構成成分 | 比率 |
|---|---|
| コラーゲン | 約80% |
| エラスチン | 3% |
| sGAG | 0.4% |
| 残存DNA | 50ng/mg未満 |
人の真皮組織のうち、免疫反応を引き起こし得る細胞成分を除去し、構造を成すECM成分だけを残したものです。「無細胞(acellular)」という名前が付く理由は、細胞は除去して構造は残したという意味です。
これを可能にしたのがAlloclean Technologyです。抗原性を最小化しながら真皮本来の3次元構造を保つことに焦点を置いた技術です。
| 製品 | 粒子 | 適合部位 |
|---|---|---|
| リトオ | 平均100㎛ / 150mg | 額・頬・首など広く厚い部位 |
| リトオ ファイン | 平均約50㎛ | 薄い皮膚の部位 |
| リトオV | 2026年上半期予定 | — |
最も鋭い質問であり、実際にこのカテゴリーの核心的な争点でした。
2026年2月、延世大学医学部皮膚科研究チームがIJMS(International Journal of Molecular Sciences)に発表した論文がこの質問に直接答えました。
電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、粒子化後もシート型hADMと同等の超微細構造が維持されました。コラーゲン繊維の配列と特有のD-bandingパターンが整然と保たれており、これは粒子化および製造工程でコラーゲン固有の構造と脱細胞化ECM構造が損なわれていないことを意味します。
そして入れた後に何が起こるのか
構造物が入り、あなたの細胞がその中へ入り、その場で新しいコラーゲンが作られます。これがscaffold(足場)の概念です。
同じ研究チームが20人を対象に20週間、無作為・二重盲検・半顔(split-face)臨床試験を行いました。片側の顔にリトオ、反対側にヒアルロン酸スキンブースターを入れて比較したものです。
リトオ側が統計的に有意に優れていた項目は次の通りです。
| 評価領域 | 詳細指標 |
|---|---|
| 皮膚構造 | 皮膚密度、皮膚体積 |
| しわ | ほうれい線の深さ、目の下のしわ |
| 弾力・毛穴 | 弾力、毛穴面積 |
| 保湿 | 水分、経表皮水分損失(TEWL) |
| 色素・紅斑 | 色素面積、紅斑 |
| リフティング | 目元・頬のリフティング |
重大な有害事象はありませんでした。
正直にお伝えするのが適切です。以下は論文著者自身が明記した限界です。
| 限界 | 説明 |
|---|---|
| サンプル数 | 20人は少数であり、一般化には制限があります |
| 追跡期間 | 20週までしか追跡していないため、その後の持続性と遅発性有害事象はまだ分かりません |
| 混合変数 | 試験製品がリトオとHAの混合物で、純粋な効果の分離が難しいです |
| 統計処理 | 多重比較補正を行っていないため、一部の有意結果は慎重に見る必要があります |
| 利害関係 | 著者の一人は該当製品の開発助言を務めました |
論文結論部の表現そのままです。「限られたサンプル数のため慎重な解釈が必要であり、より大きく十分な検出力を備えた研究が必要である。」
この限界まで書く理由は単純です。良い数字だけを見せると、あとでがっかりされるのは患者さんだからです。
これは必ず施術前に知っておいていただきたい点です。
2026年Aesthetic Plastic Surgeryに掲載された202人規模の多施設二重盲検臨床試験があります。微粒子ADMとコラーゲンフィラーを比較した研究です。
結果は3か月・6か月時点でコラーゲンフィラーと同等でした(88.4% vs 85.4%、70.9% vs 69.7%)。むしろより少ない量、より少ない追加注射で同じ結果を出しました。
しかし初期には反応がより多く見られました。
| ADM | コラーゲン | |
|---|---|---|
| 痛み | 40.7% | 10.1% |
| 腫れ | 45.4% | 13.5% |
そして6週時点の患者満足度はコラーゲン側が有意に高かったです(83.9% vs 67.4%)。3か月になると差はなくなりました。
なぜか: ADMは構造を支える必要があるため、硬く密度の高い不規則な粒子として作られます。そのため23Gや25Gの太い針が必要です(一般的なコラーゲンは27G)。痛みがより出やすい構造です。
有害事象の78%は処置なしで消失し、22%は投与後19日以内に解消しました。
ディオレがこの施術を導入するにあたり定めたこと
当院はリトオを「すぐ終わる施術」としてご案内しません。
4〜6週目はこの施術で最ももどかしい時期です。腫れは残っているのに変化はまだ見えません。この時期を知らずに来られると、失敗した施術だと感じてしまいます。
3か月からがこの施術の始まりです。その時間を待てる方にのみおすすめします。
特に短期滞在の海外患者さんには、必ずこのタイムラインを先にご説明します。帰国後4週目にご連絡をいただくことがないよう、施術前にお伝えするのが当院の原則です。
従来の合成刺激剤(PLLA、CaHA)は、炎症反応(異物反応)を起こしてコラーゲンを作らせる方式です。そのため、異物性肉芽腫や遅発性過敏反応という安全性上の懸念が伴います。
リトオは逆方向です。延世大学論文の細胞実験では、活性化マクロファージの炎症物質(IL-1β、TNF-α、IL-6、PGE-2)を濃度依存的に抑制しました。
また、線維芽細胞では次のような変化が確認されました。
| 変化 | 詳細 |
|---|---|
| コラーゲン・エラスチン | コラーゲンI、III、エラスチン増加 |
| 再生・血管新生因子 | VEGF、FGF、PDGF増加 |
| 線維化シグナル | TGF-β1減少 |
再生シグナルを上げ、硬くなるシグナルを下げるというのが論文の解釈です。
光老化皮膚実験では、UVBで損傷した基底膜のNidogen I、Collagen IV発現が回復しました。皮膚バリアの土台が修復されるという意味です。
一部の広告では「4世代」「5世代」として優劣を付ける表現をご覧になるかもしれません。その順位を裏付ける比較臨床は存在しません。リジュラン・ジュベルックとリトオがそれぞれ何のために作られたのか、なぜ優劣を付けられないのかは、リジュラン、ジュベルック、リトオ — 勝者がいない理由で詳しく整理しました。
リトオはリジュラン・ジュベルックなどと異なり、「医療機器」ではなく「人体組織」として分類されます。
医療機器は食薬処から個別製品の使用目的と適応症の承認を受けてはじめて流通できますが、人体組織は個別製品ごとの別途承認なしでも病院・医院への供給が可能です。
製造元の説明: 使用組織は米国のドナーから確保したもので、コスメティック目的使用への事前同意を得た組織のみを使用します。AATB認証、FDAリスト登録、食薬処の許可を受け、ウイルス不活化・滅菌工程を経ます。ドナー選別からHIV・HBV・HCVなどの法定感染性検査を行い、移植時には固有Lot番号を必ず記録します。
現在議論中: 2026年3月、食薬処が美容目的人体組織広告制限法令の改正を検討中であることが国会資料で確認されました。人体組織由来であることを患者に告知する案もあわせて検討されています。
ディオレは告知義務化の有無にかかわらず、
リトオ施術前に人体組織由来製品であることを必ずご説明し、Lot番号を記録・保管します。
患者さんが何を受けるのか正確に知るべきだと考えているからです。
おすすめします
おすすめしません
江南でリトオの相談を受ける外国人患者さんは、ウルセラ・サーマジ・ソフウェーブのようなリフティング施術と一緒に検討されることが多いです。両者は作用原理が異なります。ウルセラ・サーマジ・ソフウェーブはSMAS筋膜層に熱エネルギーを伝えてたるみを改善する施術であり、リトオは真皮層にECM構造物を注入して密度と弾力を満たすスキンブースターです。たるみと密度低下を同時に気にされるなら、両方を一緒にご相談いただくのが効率的です。
リジュランとリトオのどちらがより良いのかを尋ねる外国人患者さんも多いですが、前述の通り、両製品を直接比較した臨床は存在しません。リジュランはコラーゲン生成を刺激する方式で、リトオはECM構造そのものを移植する方式であり目的が異なるため、当院では優劣を勝手に付けてご案内しません。
短期滞在でリトオをご検討中の外国人患者さんには、相談段階で必ず4〜6週目のもどかしい時期と、3か月から本格的な効果が現れるタイムラインを先にご説明します。帰国後に経過写真を共有していただければメールで確認し、Lot番号はすべての外国人患者さんに施術記録とともに書面でご案内します。
Q1. リトオはコラーゲンフィラーとどう違うのですか?
コラーゲンフィラーはボリュームを満たす充填材に近い一方、リトオはコラーゲン・エラスチン・GAGで構成されたECM構造物そのものを移植し、内側の細胞がその中へ移動して新しいコラーゲンを作るようにするscaffold(足場)方式です。そのため、効果の出方と時間が異なります。
Q2. 効果はいつ頃から感じますか?
4〜6週目は腫れが残り、変化がまだはっきりしない最ももどかしい時期です。202人の臨床でも3か月・6か月時点でコラーゲンフィラーと同等の効果(88.4% vs 85.4%、70.9% vs 69.7%)が確認されているため、3か月以上待てる方におすすめします。
Q3. 施術後に痛みや腫れはありますか?
ADMは構造を支える必要があるため23G・25Gの太い針を使用し(一般的なコラーゲンは27G)、初期の痛み(40.7%)と腫れ(45.4%)がコラーゲンフィラーより高く報告されました。ただし有害事象の78%は処置なしで消失し、22%も19日以内に解消しました。
Q4. リジュランやジュベルックと比べると何がより良いのですか?
正直に申し上げると、リトオとリジュラン・ジュベルックを直接比較した臨床研究はまだありません。「4世代」「5世代」のように優劣を付ける表現にはそれを支える根拠がないため、当院では各製品の作用原理の違いを説明し、患者さんの目的に合うものを一緒に探します。
Q5. 人体組織というのは安全なのですか?
使用組織は米国のドナーからコスメティック目的使用の事前同意を得て確保し、AATB認証とFDAリスト登録、食薬処の許可を経て、ウイルス不活化・滅菌工程とHIV・HBV・HCVなどの法定感染性検査を通過した組織のみを使用します。移植時には固有Lot番号を必ず記録します。
Q6. 海外から来て短期滞在ですが、受けられますか?
可能です。ただし3か月から効果が本格化する施術なので、施術前の相談でこのタイムラインを必ず先にご説明し、帰国後の経過確認方法とLot番号の記録もあわせてご案内します。
リトオはコラーゲン1種類を補う施術ではなく、真皮構造全体を回復することに焦点を置いたスキンブースターです。ただし4〜6週目のもどかしい時期を越える必要があり、まだ明らかになっていない部分も残っていることをあわせて知っておく必要があります。ご自身の肌状態とスケジュールに合う選択かどうかは、直接の相談を通じて確認されるのが最も正確です。
ディオレ医院 | プレミアム皮膚美容クリニック、ソウル
代表院長による直接施術 · 1:1カスタム相談
本コンテンツは情報提供を目的としており、施術効果には個人差があります。すべての施術は専門医の診察後にご判断ください。